君に似合うのはきっと赤でも青でも黄色でもない。

 2018年10月11日に“SEKAI NO OWARI”が新曲「イルミネーション」を配信リリースしました。この曲は米倉涼子の主演ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』主題歌です。弁護士資格剥奪に、ドス黒い噂。勝つためには敵も味方も裏切る。自由で勝手なのに、必ず人を救う。そんな【かつてないグレーなヒロイン】がドラマの物語を動かしてゆきます。

君に似合うのはきっと
赤でも青でも黄色でもない
どんな炎に焼かれても
ただ一つ残る色だ

幸せになるにはきっと
何か払わなきゃいけないの、と
泣いているような空を見る
君の強さを知っているよ

汚れたような色だねって
そんなに拗ねるなよ
人知れずシャツの袖で
涙を拭った君に
「イルミネーション」/SEKAI NO OWARI

 さて、そのドラマを彩る主題歌もまた【グレー】が大切なキーワードになっているんです。柔らかなオルゴールの音で幕を開ける歌。もうイントロから<君>に優しく寄り添おうとしている<僕>の想いがわかります。そして最初に伝えるのが<君に似合う>色のこと。それは<どんな炎に焼かれても ただ一つ残る色>=【灰色(グレー)】です。

 そう聞いて<君>は<汚れたような色だね>と拗ねるのですが、もちろん<僕>はネガティブな意味で口にしたわけではありません。悪意や逆境<どんな炎に焼かれても>自分の色を失わずに生き抜いてきた。<幸せになるにはきっと 何か払わなきゃいけないの、と>白と黒の狭間を、涙を堪えながら進んできた。それが<君>なのでしょう。

 さらに【グレー】とは、都会のビルやコンクリート、冬空、鉛などをイメージさせる色。そう考えて深読みをすると、高いビルが立ち並ぶ都会で、冬の<泣いているような空を>見上げて、時に鉛のように心が重くなっても<人知れずシャツの袖で涙を>拭い、固いコンクリートの上を歩いてきた<君>の強さが表れているようにも感じられますね。

優しさに色があるなら
赤でも青でも黄色でもない
全部を混ぜあわせて
ただ一つ出来る色だ
「イルミネーション」/SEKAI NO OWARI

強いようで弱い
でも弱いようで強い君へ贈る色 グレー
「イルミネーション」/SEKAI NO OWARI

 また、続く歌詞で<僕>は<君>を表す【グレー】を、全ての色を<混ぜあわせて ただ一つ出来る>優しさの色だと伝えます。つまり<君>は、他の色を持っていないわけではなく逆に、熱いエネルギーを持つ<赤>も、冷静で知性的な<青>も、心を弾ませるような明るいイメージの<黄>も、もともと心に含んでいるのではないでしょうか。

 でもきっと<君>は自分が持っている本当の色など気づいていないはず。この<グレー>が様々な色からなる<ただ一つ>の優しい色だとは知らないのです。ただただ、白か黒か、光か闇か、善か悪か、勝ちか負けか、ひとりそのなかで戦って、強くなったり弱くなったり<グレー>の色味を変えながら生きているのだと思います。

純白の街へ連れてくよ
緑や赤の綺麗な光
濡れた袖が暖まるまで
雪道を彩る
二人だけの足跡
続いていく足跡
「イルミネーション」/SEKAI NO OWARI

 そんな<君>の手を引いて、その<グレー>がどれだけ美しい色たちからできているのかを教えるのが、SEKAI NO OWARI「イルミネーション」なのでしょう。純白の街も。緑や赤の綺麗な光も。雪道を彩る二人だけの足跡も。何もかもが<君>を作るものだと。涙で<濡れた袖>も<僕>の想いの温もりでちゃんと乾いてゆく気がしますね。
 
 人知れず泣いているあなた。是非この歌を聴いてみてください。そしてこの歌を届けたい人がいるあなた。どうかその気持ちも伝わりますように…!

◆紹介曲「イルミネーション」
2018年10月11日配信
作詞:Saori・Fukase
作曲:Saori・Nakajin