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今日のうた

槇原敬之

ほんの少し勇気が欲しいとき、思い出せる特別な場面がある。

 2018年10月10日に“槇原敬之”が2年2ヶ月ぶりとなるニューシングル「記憶」をリリースしました。タイトル曲は、NIVEAブランドのCMソングとして書き下ろされた楽曲です。シングルにはオリジナルバージョン、ストリングスバージョン、英語バージョンの3バージョンがすべて収録。今日のうたコラムではその新曲をご紹介いたします。

光のフレアが眩しくて
よく見えない誰かの顔
覚えてるハンドクリームの
柔らかで清潔な香り
かさかさのほほで笑った
本当かもわからないけど
愛されているとあのとき
確かに感じられたんだ

ほんの少し勇気が欲しいとき
思い出せる特別な場面がある
「記憶」/槇原敬之

 冒頭の<光のフレア>とは、太陽光などにレンズを向けたとき、強い光で写真全体が白っぽくなる現象のこと。まずこの歌では、その【レンズ】が【自分の瞳】を表しているのではないでしょうか。さらに【強い光】は【眩しすぎる幸せな時間】を。ボヤけた写真は<よく見えない誰かの顔>が映っている「記憶」を表しているのでしょう。

 そんな「記憶」には、視覚よりたしかな感覚が保存されています。そこで登場するのが、ニベアの<ハンドクリーム>です。幼い自分に<誰か>が塗ってくれた<ハンドクリーム>の<柔らかで清潔な香り>は、嗅覚が<愛されている>ことの実感として忘れません。今でも<ほんの少し勇気が欲しいとき>再生できるとっておきの「記憶」なのです。

それはほほを包む優しい指
繋いだ手のぬくもり
何かの拍子に思い出す
言葉を超えた想いの記憶
もしも思い出せないなら
僕が優しく伝えよう
何かの拍子に思い出す
言葉を超えた想いの記憶
「記憶」/槇原敬之

 サビでは、その<ハンドクリーム>の香りから“触覚”の「記憶」も思い出されてゆきます。かつて<かさかさのほほ>を包んでくれた<優しい指>が自分を笑顔にしてくれていたこと。いつだって<繋いだ手のぬくもり>から愛を感じていたこと。どれも<何かの拍子>に“心身”が教えてくれる<言葉を超えた想いの記憶>です。
 
 きっとわたしたちは、歳を重ねてゆくにつれ、肌と同じように心も乾燥しやすくなってゆくことでしょう。社会のなかで、冷たい風に傷つく場面も増えるかもしれません。でも、どんなときも、まるで<ハンドクリーム>のように心を潤し、時にはバリアの役割も果してくれるのが、自分のもつ「記憶」なのだと思います。
 
 なかには『そんな記憶は自分にはない』『もう忘れてしまった』と思う方もいらっしゃるかもしれません。だけど、それでも<もしも思い出せないなら 僕が優しく伝えよう>と、自らの音楽が<ハンドクリーム>のような存在になれたらと、そんな想いで作られたのが、槇原敬之の「記憶」という歌なのではないでしょうか。

大丈夫だよと
微笑んであげたいとき
思い出せる特別な場面がある

それはほほを包む優しい指
繋いだ手のぬくもり
何かの拍子に思い出す
言葉を超えた想いの記憶
もしも思い出せないなら
僕が優しく伝えよう
何かの拍子に思い出す
言葉を超えた想いの記憶
「記憶」/槇原敬之

 また、いつか<大丈夫だよと 微笑んであげたい>存在が出来たときには<僕>の立場としてこの歌を聴くことができるでしょう。これまで自分が<言葉を超えた想いの記憶>に支えられながら生きてきたように、今度は支えたい誰かの心に優しい「記憶」を記してゆくのです。その人が苦しんでいるときには想い出を<優しく伝え>てあげるのです。
 
 優しさとぬくもりに満ちた、槇原敬之の「記憶」をぜひ、あなたの<特別な場面>を思い出しながら聴いてみてください。そして、この歌を捧げたい大切な人にもぜひ、届けてあげてください…!

◆紹介曲「記憶」
作詞:Noriyuki Makihara
作曲:Noriyuki Makihara

◆ニューシングル「記憶」
2018年10月10日発売
BUP-50007 ¥1,200(税別)

<収録曲>
1.記憶
2.記憶 Strings Version
3.Memories
4.記憶(Backing Track)
5.記憶 Strings Version(Backing Track)
6.Memories(Backing Track)