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今日のうた

吉田広大

君は僕よりも良い人が見つかるから。

 2018年10月3日に“吉田広大”が新曲「さよなら、愛しき人」を配信リリースしました。恋人とお別れしなければならない場合、大抵は片方の心が離れたか、両者とも冷めてしまったかのどちらかだと思います。しかし稀に、二人ともまだ想いがあるのに「さよなら」になってしまうこともあるんですよね。それは何故なのでしょうか…。

冬の香りが君の面影運んでく
小さなベンチ腰掛けた2人
少し離れた君と僕の距離を
縮める様に降り出した粉雪

「寒いね」と差し出す君の
手を握らず立ち上がれば
すすり泣く君の声が溶けてゆく
「さよなら、愛しき人」/吉田広大

 おそらくこの歌の<君と僕>も、お互いに好き同士なのに、今まさに別れのときを目の前にしております。今日で「さよなら」だとわかっているから、小さなベンチに並んで腰をかけても<少し離れた>距離。それを<縮める様に降り出した粉雪>は「本当にそれでいいの?」と神様が空からこぼした最後のチャンスだったのかもしれません。
 
 そして<君>の方は、そのやり直すチャンスを掴めないだろうかと、思い切って冷えた手を「寒いね」と差し出したのではないでしょうか。だけど、残念ながら二人の想いは通じ合いませんでした。というより<君>の想いをわかっていながらも<僕>は<手を握らず>立ち上がって、自らここで決定的な終止符を打ったのです。

「さよなら」愛しき人
君は僕よりも良い人が見つかるから
「もう泣かないで」って
泣きながら 手を振った
「さよなら、愛しき人」/吉田広大

 こちらはサビ部分。このフレーズは、曲中で何度も繰り返されていることから、泣いている<君>にも<僕>自身にも、無理してなんとか言い聞かせているような印象を受けます。また、きっと<僕>が<君>に伝えたのは「さよなら」と「もう泣かないで」という言葉だけ。でも、心の内に秘めている想いはそれだけではありませんね。

 まず<愛しき人>というワード。まだ<君>への愛が現在進行形であることがわかります。さらに<君は僕よりも良い人が見つかるから>というフレーズからは、好きなのに<僕>が別れを選んだ理由が明らかになっているんです。つまり<僕>は<君>のこれからを考えたとき、自分では相手を幸せにする役割を果せないと感じたのでしょう。
 
 この人は<僕よりも良い人>と出会い、付き合い、結婚したほうが幸せになれる。だから自分はもうここで恋人の役目を終えよう。そうやって<君>の未来予想図を描いた結果「さよなら」と「もう泣かないで」を告げて<手を振った>のだと思います。それでも<泣きながら>になってしまったところから、隠し切れない“好き”が伝わってきます。

輝く街嘘つきなため息
白く濁って空に溶けて落ちてく
涙色に染まってゆく
君と過ごしたこの街が
雪色に染まるのを 待っている
「さよなら、愛しき人」/吉田広大

 続く歌詞に綴られている<嘘つきなため息>には、お互いの“好き”を見ないふりして「さよなら」を選んだことに対する後悔、涙、痛み、苦しみが含まれていることでしょう。ゆえに<君と過ごしたこの街が 雪色に染まるのを 待って>自分の感情も思い出もすべて真っ白に覆い隠してほしいと願っているのです。ただ、そう簡単に愛は消えてくれません。

公園のベンチ小さな遊園地
ショーウィンドウの向こうに見える宝石
悴んで震える手
握り返してる君の小さな手
ダイアモンドリングはめた姿浮かべ
Oh bended knee 泣き崩れたって
人混み 街並み 季節さえ
僕を置き去りに

愛してる 愛してる 愛してる
もう一度君に
「さよなら、愛しき人」/吉田広大

 覚悟を決めて別れたはずなのに<ショーウィンドウの向こうに見える宝石>が目に入って、想像してしまったのは別の未来です。握り合っている手と手。結婚を誓い<ダイアモンドリングはめた>君の姿。何故、その未来に<僕>はいないのだろうか…。そう思うと悲しくて悲しくて仕方がないのでしょう。もう一度<愛してる>と伝えられたらと思わずにはいられないのでしょう。

「さよなら」愛しき人
君は僕よりも良い人が見つかるから
「もう泣かないで」って
泣きながら 手を振る
「さよなら」愛しき人
僕は君よりも良い人を見つけるから
「もう泣かないで」って
笑いながら 手を振った

冬の香りが君の面影運んでく
小さなベンチ腰掛けた1人
「さよなら、愛しき人」/吉田広大
 
 でも、それでも、こうして幕を閉じてゆく歌。最後の最後は<泣きながら>ではなく<笑いながら>手を振っております。それに<僕は君よりも良い人を見つけるから>とまで。これは、吹っ切る決意ができたということなのか。それとも、とことん<君>に対しては<嘘>を突き通したということなのか。
 
 ラストの<小さなベンチ腰掛けた1人>というシーンで<僕>はどんな感情を抱いていると思いますか…? 愛に満ちているからこそ切ない。それが吉田広大の新曲「さよなら、愛しき人」です。是非、歌詞の世界にじっくりと浸りながら聴いてみてください。

◆紹介曲「さよなら、愛しき人」
2018年10月3日配信リリース
作詞:吉田広大
作曲:吉田広大