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今日のうた

メガネツインズ(高橋優&亀田誠治)

いつか何にも見えなくなる日がきても。

 2018年9月19日に“高橋優”がニューシングル「ありがとう」をリリースしました。今作にも恒例“メガネツインズ”の新曲が収録されております。メガネツインズとは、高橋優&亀田誠治(音楽プロデューサー・ベーシスト)によるメガネ2人組ユニット。始まりの第1弾ソングは、2016年3月9日にリリースされたシングル『さくらのうた』のカップリング曲「メガネが割れそう」です。

 第1弾「メガネが割れそう」は、熱烈な恋心を<僕のメガネが割れそう それくらい君が好きよ>という、強烈なフレーズで届けるラブソング。それ以降も二人は「サングラス」「視力検査」「ドライアイ」「Fitting」「ゴーグル」「メガネツインズのテーマ」と必ず何かしら“メガネ”に繋がるタイトルの楽曲を発表し続けてきました。そんなメガネツインズの楽曲もついに第8弾!その新曲を今日のうたコラムでご紹介いたします。

席替えはクジ引きで否応無しに決めつけられて
僕は一番後ろの席を引き当てて
自分の視力が落ちてきてることは密かに知っていて
これからの毎日が思いやられそうだなー

そんな矢先に 僕の隣に 天使が舞い降りた
「これからよろしくね」と笑う君がそこにいた
君がそこにいた

遠くが見えなくても 世界中ボヤけても
君の笑顔が 隣にあるのなら
何も怖くなかったよ 君を見つけるための
瞳だったのさ これ以上ないほど
今が続けばいい 初めての恋
教室の片隅 夏のそよ風
「First and Last Love」/メガネツインズ

 これまでと異なり、タイトルに“メガネ”に繋がるワードが入っていないため、曲の全貌を知るまでは「アレ?今回はメガネソングじゃないの?」と思っていた方もいらっしゃるでしょう。実はこの歌、主人公の<僕>がメガネボーイになる前の物語なんです。メガネの便利さを知る前って、どうにか裸眼でいたくて<自分の視力が落ちてきてることは密かに知っていて>も日常を“見える風”に過ごしてしまいがち。
 
 だから、席替えのクジ引きで<一番後ろの席を引き当てて>しまったときなんて最悪で<僕>は途方に暮れていました。しかし同時に、最悪が“最幸”に変わる出来事が…!隣の席に当たったのは<「これからよろしくね」と笑う>素敵な天使。たちまち<これからの毎日が思いやられそうだなー>という憂鬱は吹き飛び、この夏<僕>の<瞳>は<君>に<初めての恋>をしたのです。メガネボーイ物語、起承転結の“起”の誕生です。

幸せな日々は信じられないほど早く過ぎてって
この席になってもう3ヶ月が過ぎて
自分の視力が更に落ちてきてることは密かに知ってて
黒板の文字はもうほとんど見えなくなった

けど「先生の書く文字って小さいよね」と囁きながら
机近づけ ノートを見せてくれる君がいた
優しさを知った

たとえばこの瞳がだんだん悪くなって
いつか何にも見えなくなる日がきても
君がくれた笑顔や大事な思い出が
消えないように忘れてしまわないよに
焼き付けておきたい一つ一つを
外はもう粉雪 12月の気配
「First and Last Love」/メガネツインズ

 そして、あっという間に<幸せな日々>は過ぎゆき、季節はもう冬。視力の低下はどんどん悪化し<黒板の文字はもうほとんど>見えないほどです。それでも<僕>が先生に不便を申し出ないのは、もちろん隣の席に<君>がいるから。きっと<君>は<僕>が“見える風”に過ごしていることも知っているのでしょう。その上で「先生の書く文字って小さいよね」と“先生の文字”のせいにして、いつもノートを見せてあげる優しさがある子なのです。

 すると<僕>は、だんだん悪くなってゆく<この瞳>を犠牲にしてでも、なんとか<君>の隣の席にいることを選びます。たとえ<いつか何にも見えなくなる日がきても>なんて想像までしながら、視力が悪いからこその甘い日々を味わって。こうして物語の“承”では<自分の視力>と反比例して<君>への想いが高まっていることが伝わってきますね。また、サビの<そよ風>や<粉雪>といったワードは、淡く儚く密やかなこの恋を象徴しているかのよう…。

目を細めながら 前を見てた僕に
先生が言った 優しい一言
出来れば聞きたくなかった一言

「席を入れ替えましょう 一番前の人と
大切なことを見落とさないように」
先生そうじゃないんだよ 僕は見つけてたんだよ
大切なことを 好きになるということを
「First and Last Love」/メガネツインズ

 でも、ついに“その日”がやってきてしまいました。どんなに<僕>が懸命に“見える風”に過ごしていても限界があるのです。先生が放った「席を入れ替えましょう 一番前の人と 大切なことを見落とさないように」という優しい一言。だけどそれは<僕>にとって<優しさ>ではありません。「先生の書く文字って小さいよね」と囁きながら、机を近づけ、ノートを見せてくれていた<君>の言動だけが<僕>にとっての<優しさ>の全てだったのです。

 黒板の文字がほとんど見えなくなった代わりに見つけた<大切なこと>は、誰かを<好きになるということ>です。そのおかげで、憂鬱なだけだったはずの<僕>の数ヶ月は救われました。過ぎゆく季節の一瞬一瞬さえ丁寧に感じられました。しかし<一番前の人と>席が入れ替わって、このまま隣の<君の笑顔>を失ってしまうのでしょうか。この恋は終わってしまうのでしょうか。物語は今“転”を迎えております。
 
 では、どのような“結”に<僕>はたどり着くのか…。コラム内では、あえてネタバレをしませんので、是非、メガネツインズ「First and Last Love」の歌詞全文をチェックしてみてください。ラストではタイトルに込められている意味もわかるはず。どうかこの<僕>に優しい春が訪れますように…!

紹介曲「First and Last Love」
作詞:高橋優
作曲:高橋優

◆20thシングル「ありがとう」
2018年9月19日発売
通常盤 WPCL-12927 ¥1,200(税別)
期間生産限定盤 WPZL-31504 ¥2,000(税別)

<収録曲>
1.ありがとう
2.高野豆腐~どこか遠くへ~
3.なくしもの
4. First and Last Love/メガネツインズ(高橋 優&亀田誠治)