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今日のうた

石崎ひゅーい

悲しい歌にならないように、誰もが羨むような素敵な結末を探した。

あれは本当の恋だった
まるで夢を見ているみたいだった
だから悲しい歌にならないように
誰もが羨むような素敵な結末を探した
「ピリオド」/石崎ひゅーい

 2018年3月28日に“石崎ひゅーい”がベストアルバム『Huwie Best』をリリース!今日のうたコラムでは、今作に収録される新曲「ピリオド」をご紹介いたします。尚、2月28日から先行配信がスタートしており、併せて歌詞も先行公開中です。まだ恋人同士である頃、きっと<僕>は<本当の恋>を失わないよう、いつも懸命に<誰もが羨むような素敵な結末を探した>のだと思います。だけど残念ながら結局、現実は<悲しい歌>になってしまうような結末を迎えたのでしょう…。

 全てがもう“過去形”であり、すでに恋のピリオドは打たれてしまっているこの曲。ただし、続く歌詞から見えてくるのは、独りきりの物語のなかでも、なお<誰もが羨むような素敵な結末を探し>ている<僕>の姿なんです。悲しい現実とは異なる“もしも”の恋のピリオドにすがるかのように…。では、いろんな感情や記憶が脳内を巡るなか、最終的に彼はどのような<素敵な結末>にたどり着いたのでしょうか。

桜通りの人混みは
二人で見てたゾンビドラマみたい
僕のピストルは今だに青くて
自分さえ守れやしないのさ

ああ 僕はまだ繋いだ手の
ぬくもりも優しさも忘れられずに
「ピリオド」/石崎ひゅーい

 この季節、様々な桜ソングが生まれますが、桜など気にも留めず<人混み>を見つめて、しかも<二人で見てたゾンビドラマみたい>だとなぞらえる歌は他にはありませんね…。これは、それほどまでに<僕>があらゆる景色から<二人>の記憶を連想してしまう状態にあるということです。そしてそのゾンビドラマでは、おそらくヒーローが次々とゾンビを撃って、ヒロインを守り抜いていたのでしょう。まず<僕>はそんなヒーローと<自分さえ守れやしない>己を比べて、一つの“もしも”を考えます。

今、春の嵐の中を
一人で歩く強さがほしいよ
青空を蹴り飛ばしてでも
君を最後の恋にできるような
そんな勇敢な戦士だったら
僕らは永遠になっていたんだろう?
「ピリオド」/石崎ひゅーい

 もしも、自分が<青空を蹴り飛ばしてでも 君を最後の恋にできるような そんな勇敢な戦士だったら>…と。ここでいう<青空>とは“一点の曇りもない幸せ”の象徴ではないでしょうか。すると<青空を蹴り飛ばしてでも>とは、何があっても、何を捨ててでも、どれだけ不幸になってでも、ということを意味するはず。しかし、かつての<僕>はそこまで強い覚悟を持てなかった。その弱さが<君>を不安にさせ、別れに繋がってしまったのだろうという自己嫌悪や後悔が、このサビフレーズから伝わってきますね。

君を探せないように
情けない夢を見ないように
思い出をおもいだせぬように
忘れることさえも忘れられるように

髪を短くして 部屋も借りて
君の面影をまるごと捨てたんだけど

春の嵐の中で
今にも消えて失くなりそうだよ
いつかこの地球が壊れても
二人ならきっと大丈夫って笑いあってた
僕は電線に絡まって立ち往生してる
「ピリオド」/石崎ひゅーい

 さらに「ピリオド」では、いっそ忘れてしまおうと必死になる<僕>の姿も見えてきます。だけど<髪を短くして>も、その慣れない自分を鏡で見つめるたびに、むしろ<君>を思い出してしまうことでしょう。「この髪型を君が見たらなんて言うかな」なんて考えてしまうことでしょう。新しい<部屋も借りて>も「ここに君がいてくれたらな」と<君の面影>のない場所にさえ、存在を浮かべてしまうことでしょう。まさに戻ることも進むこともできない<立ち往生>状態なのです。

赤い風船みたいにさ
しわくちゃな未来を待つだけだよ
星空を舞う花びらのように
どうせ最後はちゃんと散りたかった
僕を撃ち殺して ぎゅっと抱きしめて
そのまま君のこめかみに突きつけて 撃て
「ピリオド」/石崎ひゅーい

 そんなどうにもならない<僕>がたどり着いた“もしも”の<素敵な結末>とは、心中です。自分の物語の続きを想像してみたところで<赤い風船みたいに>心は萎んで、身体は老いて<しわくちゃな未来を待つだけ>の人生。だったらいっそ<君>と共に散ってしまいたい…。もしかしたら、付き合っている頃から彼は「この愛のピークで死んでしまいたい」と思ったことがあるのかもしれません。だから、別れた今も<君>にピリオドで“撃って”ほしいのです。自分の死だけではダメで<そのまま君のこめかみに突きつけて 撃て>と願うところにも、強烈な愛を感じますね…。

 もちろんこれは<誰もが羨むような素敵な結末>なんかではないでしょう。でも今の<僕>にとっては、春の嵐の中で消えて失くなりそうになりながら、たどり着いた最高の“もしも”であり、叶うことはない<素敵な結末>なんですよね…。全身全霊の<本当の恋>を失ったときには、こうしたピリオドを望んでしまうものなのかもしれません。あなたは、こんなにも誰かを愛し尽くしたことがありますか…?聴けば聴くほど切なさで胸が締め付けられる、石崎ひゅーいの「ピリオド」。歌詞も歌声もじっくり味わってみてください。

◆BEST ALBUM『Huwie Best』
2018年3月28日発売
通常盤 ESCL-5043 ¥2,900(税込)

<収録曲>
1.第三惑星交響曲
2.ファンタジックレディオ
3.夜間飛行
4.ピノとアメリ
5.ひまわり畑の夜
6.ガールフレンド
7.ピーナッツバター
8.星をつかまえて
9.1983バックパッカーズ
10.おっぱい
11.常識
12.僕がいるぞ!
13.僕だけの楽園
14.花瓶の花
15.ピリオド
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16.花瓶の花(Acoustic Version)
17.夜間飛行(Acoustic Version)