希望を胸に吸い込んだら、また君と泳いでいこう。

どんな夫婦も、悩みを隠して、笑っている。

 こちらは深田恭子さん主演の木曜ドラマ『隣の家族は青く見える』キャッチコピーです。物語で描かれてゆくのは、結婚・妊娠・出産についての問題。登場する4組のカップルがまさにそれぞれ『悩みを隠して、笑っている』のです…。さて、そのドラマ主題歌として書き下ろされたのが“Mr.Children”の「here comes my love」という新曲!1月19日に配信リリースされ、オリコン週間デジタルシングル(1/29付)ランキングでは初登場1位を獲得しました。では早速、そんな話題曲をご紹介いたします。

破り捨てようかな
いやはじめから なかったものって思おうかな?
拾い集めた淡い希望も
一度ゴミ箱に捨て
「here comes my love」/Mr.Children

 幸せのため、共に前に進んでいくのが、人生のパートナーというもの。だけど、時にはどちらかが、もしくはどちらもが、もう<淡い希望>を拾い集めることに疲れてしゃがみこんでしまうこともあるでしょう。冒頭に綴られているのは、そういった状況に陥った<僕>の心模様です。いっそ<はじめから なかったものって>思いたくなってしまうのは、抱えた問題に対する努力や期待かもしれませんし、大切な人との関係そのものであるのかもしれませんよね…。

飲み込んでおくれ
巨大な鯨のように
あぁ僕は彷徨うピノキオの気分だ
何かが僕を変えるはずさって
夢見て暮らしている

輝く光じゃなくっても
消えることない心の灯りはいつも
君を照らしてる
祈るように 叫ぶように
この想いがはぐれないように

夢見た未来を波がさらっていっても
この海原を僕は泳いでいこう
here comes my love
here comes my love
君に辿り着けるように
「here comes my love」/Mr.Children

 ただし実際には、破り捨てることも、なかったものと思うことも、出来るはずないのが<僕>です。何故ならまだ大切な<君>が暗闇の中にいるから。ちなみに、歌詞に綴られている【ピノキオ】とは、ディズニーアニメでも有名な主人公。そしてアニメには、彼にとっての大切な人が<巨大な鯨>に飲み込まれてしまうというシーンがございます。その絶望的な状態はなんだか「here comes my love」前半と重なるように思えますね。

 尚、ピノキオは大切な人を救出するため、自らも鯨に飲み込まれ、知恵と勇気でなんとか脱出を果すのですが、その時のピノキオの気持ちとこの歌の<僕>の気持ちは同じなのではないでしょうか。助けたくて、一緒にピンチを抜け出したくて、懸命に<僕>は<心の灯り>で<君を照らしてる>のです。どんなに自分がダメになりそうな時でも<祈るように 叫ぶように この想いがはぐれないように>大切な人を照らし続けたいというその想いが、どこまでも<海原>を泳いでいく力になるのです。

灯台の灯りが
夜の海の向こう
強く優しく光を放つ
今の僕は
君を正しく導いてるかな?
「here comes my love」/Mr.Children

見上げた空には雨雲があるけど
その海原を誰もが泳いでるよ
希望を胸に吸い込んだら
また愛する人の待つ場所へ
「here comes my love」/Mr.Children

 また、歌の前半では<僕>はどこか孤独な印象でしたが、後半では違います。おそらく暗闇の中で<君>の手を掴み、今はその手を引きながら共に<強く優しく光を放つ>希望に向かって、共に泳いでいるのでしょう。そして、ふと周りを見渡してみると<その海原>であがきもがいているのは、自分たちだけではなく“誰もが”同じであることに気がついたのです。さらに<希望を胸に吸い込んだら また愛する人の待つ場所へ>というフレーズは、リスナーの私たちに向けての応援のようにも感じられませんか…?

あって当然と思ってたことも
実は奇跡で
数え切れない偶然が重なって
今の君と僕がいる

繋いでいたその手が離れてしまっても
見失わぬように君のそばにいるよ
希望を胸に吸い込んだら
また君と泳いでいこう
here comes my love
here comes my love
いつかきっと
僕ら辿り着けるよね
「here comes my love」/Mr.Children

 だからこそ、最後の最後は<いつかきっと 僕ら辿り着けるよね>なんですね。奇跡のように出逢えた、それぞれの<今の君と僕>で生きていこう。みんないろいろ事情はあるけれどそうやって人生を泳いでいこう。そんな力強く希望的なメッセージが「here comes my love」からは伝わってきます。この歌はきっと、ドラマの登場人物たちにとっても、彼らに共感する私たちにとっても、大きな支えになるはず。是非、歌詞をじっくり味わいながら聴いてみてください!