太陽と月がくっついて生まれた、明るい日。

明日という言葉は
どうして明るいって書くんだろう?
明るい日じゃなかったら
誰も明日を待たないからか…
「サヨナラホームラン」/スガシカオ

 こちらはスガシカオの名曲のワンフレーズ。みなさんもふと<明日という言葉は どうして明るいって書くんだろう?>と思ったことありませんか? そんなことを考えるのは大抵、暗い気持ちのときでしょう。明日なんて来てほしくない、明日が良い日になるわけない、などなど。この曲でも<明るい日じゃなかったら 誰も明日を待たないからか…>と歌っているものの<…>の沈黙から、明るくなりそうもない自分の明日への憂鬱と皮肉を感じます。

 さて、今日のうたコラムでは、その「サヨナラホームラン」のフレーズにも通じる新曲をご紹介!シンガーソングライター“結花乃”が2017年11月29日にリリースしたニューシングル『快速流れ星』に収録されている新曲「明(るい)日」です。まずAメロには次のような、わたしたちの“あるある”が吐露されております。

学校にいきたくない
会社にもいきたくない
お休みが終わる夕方
家にいるのに帰りたい
「明(るい)日」/結花乃

誰にも会いたくない
何にも言いたくない
この部屋の鍵を閉めたら
時も止まればいいのに
「明(るい)日」/結花乃

 とくに<お休みが終わる夕方>こんな気持ちになりますよね…。<家にいるのに帰りたい>というのもわかる気がします。とにかく“明日を目の前にした今”から逃げ出したいのでしょう。一週間は始まってしまえばあっという間ですが、その始まりの一歩の“月曜”がしんどいんです。だから、ブルーマンデー症候群というものも存在し、多くの方が憂鬱な気持ちを引きずったまま朝を迎えるわけです。だけど、そのブルーな時にこそ、聴いていただきたいのがこの曲。

日曜日と月曜日 太陽と月が
くっついて生まれた 明るい日
明日 明日 は 明るい日
ずっと昔のご先祖様も
知ってた事だから

ちょっとだけ信じてみよう
ちょっとだけ信じてみよう
ちょっとだけ信じてみよう

一億人の日本人
みんな使う言葉だから
ちょっとだけ信じてみよう
「明(るい)日」/結花乃

 たしかに<日曜>の【日(太陽)】と<月曜>の【月】がくっつくと<明日>の【明】という字になりますね…!また<太陽と月>はどちらも光。ということは、憂鬱になりがちな<日曜>にも<月曜>にも、本来は曜日の名に【光】が含まれているのだということにも気づかされるのです。そして、その二つの光から生まれた<明日>は、言葉の持つポジティブなパワーとして最強。もしかしたら<ずっと昔のご先祖様も>そんな前向きな祈りを込めて、今日の次の日を<明日>と名づけたのかもしれません。どうか<明るい日>になりますように、と。
 
 もちろん、本当に明日が明るい日になるかどうかはわかりません。実際には、今日と同じような日だったり、今日よりももっとツライことがあったりもするでしょう。でも、それでもまた<明日 明日 は 明るい日>と、<ちょっとだけ信じてみよう>と、おまじないのように唱えてみることで、なんだか生きていけるような気もしてきます。また「明(るい)日」には【幸】という文字に対するフレーズも綴られております。

幸せという漢字を 逆さにしても
同じように幸せと読めるから
転んじゃっても 幸せだ
ずっと昔のご先祖様も
知ってた事だから

ちょっとだけ信じてみよう
ちょっとだけ信じてみよう
ちょっとだけ信じてみよう

一億人の日本人
みんな使う言葉だから
ちょっとだけ信じてみよう
「明(るい)日」/結花乃

 たとえ気休めに思えても、こうして言葉の持つ前向きなパワーを意識することで、不思議とあとから気持ちもついてくるのではないでしょうか。その証拠に、結花乃「明(るい)日」を聴いていると、本当に明日が良い日になるように思えてくるんです。これもまた歌自体に含まれているポジティブな力が効いているのだと思います。

 日曜の夕方や夜、月曜の朝、ブルーな気持ちに心を占められそうになったら、まずは結花乃「明(るい)日」を聴いてみてください。そして、できれば一緒に口ずさんでみてください。<明日 明日 は 明るい日>と、ちょっとだけ信じてみましょう。