あたしだけの道をあたしは知っている。

目が覚めれば世界は変わる
昨日の孤独と今日の自由
スイッチを少しだけひねれ
明日への希望 未来のあたし
「予告」/aiko


 2017年11月29日に“aiko”が約1年2ヶ月ぶりとなるニューシングル『予告』をリリースしました。収録されているのは「予告」、そしてカップリング「間違い探し」「月が溶ける」の3曲です。ちなみに【予告】とは【前もって何かを告げ知らせること】を意味する言葉。ではまず、トゥットゥル♪トゥットゥル♪というイントロから楽しい気持ちになってくるタイトル曲「予告」では、何を予告しているのでしょうか。

予告
あたしだけの道をあたしは知っている
変幻自在振り返れば綺麗
選べないよ ずっと だけどそれでいい
きっとあたしのあたしが知っている
「予告」/aiko

笑う
あたしだけの道をあたしは知っている
真っ最中の真ん中は愛おしい
「予告」/aiko

 それは<希望>の予告です。みなさんも日常生活で、なんだか心が晴れないとき、孤独や悲しみにどっぷり浸かっているようなときってありますよね。だけど、人生は自分次第で<変幻自在>だったこと、結局<振り返れば綺麗>なこと、楽しい時間の<真っ最中の真ん中は愛おしい>こと。これまでの<あたしだけの道をあたしは知っている>のです。その<知っている>確かな経験があるからこそ<希望>を予告できるのです。
 
 また、予告は【宣言】とも言い換えられるのではないでしょうか。他の誰でもない、自分へ<笑う>!と宣言する。それだけでも気持ちを鼓舞することができて、心の<スイッチを少しだけ>ひねることができるような気がしませんか? 元気なあたしはあたしが作る。そう思う力をくれるのが「予告」という楽曲なのだと思います。さて、さらに【予告】という言葉には【前ぶれ】という意味もあります。その【前ぶれ】が描かれているのが、2曲のカップリングです。

もう慣れっこ同士過ごす毎日おままごとのような
繰り返すキスとハグはないね リビングの時間

どこかで最後までって
繋がっていられないような気がしてた
だからってどうとか無かったんだけど
あぁ今知った 痛い

少し雑にだけど
綺麗に並べられた歯ブラシにあたしはなれなかった
「間違い探し」/aiko


 まず「間違い探し」は、一緒にいる時間が長すぎて<慣れっこ同士>になったがゆえに、もうダメになりそうな<あなた>と<あたし>が描かれております。思えば<どこかで最後までって繋がっていられないような気がしてた>という彼女。そして実際<少し雑にだけど綺麗に並べられた歯ブラシにあたしはなれなかった>…。これは多分、一生一緒に生活をしてゆく伴侶にはなれないということです。

 だから<あたし>は今、別れの【前ぶれ】の答え合わせをしているような状態なのでしょう。ただ一方で、歌の最後には<少し愛してる>なんてフレーズも綴られているんです。きっと、まだ大切な存在ではあるからこそ「どこで間違えたんだろう」「どれが間違いなんだろう」「付き合ったことそのものが間違い?」「このまま関係を続けるのが間違い?」など、いろんな“間違い探し”が心の中で巡っているんですよね。果たして、別れの【前ぶれ】はどう転がってゆくのでしょうか…。

ありがとう ありがとう ありがとうって
電話切る時に何度も言うから
もう最後なのかって
どうなのって 大丈夫なのって
おもわず思って不安になるよ
「月が溶ける」/aiko

さようならあなたに言われたらって
涙で静かに月が溶けた
言葉は夜空の道に迷う ねぇ どこにいても
離れないでいてよ
「月が溶ける」/aiko

 3曲目「月が溶ける」では、また違う形で【前ぶれ】が描かれております。この歌の主人公は、好きな人と電話をして、切るときに何度も<ありがとう>と言われることが、心で<さようなら>に変換されてしまうんです。つまり、たとえ付き合っていたとしても、上手くいっていたとしても、自らの不安によって“別れの【前ぶれ】”を想像してしまうのでしょう。でも、幸せだからこそ怖い、という気持ちはわかりますねぇ。そして、そんな主人公にこそ「予告」のような曲が届いてほしいと思います!
 
 aikoがニューシングルで描いた3つの『予告』を是非、歌詞をじっくり読みながら楽しんでみてください。また、aikoは2018年でメジャーデビュー20周年!今後の活動の予告も楽しみです…!

◆37th Single「予告」
2017年11月29日発売
PCCA-15037 ¥1,200(本体)+税

<収録曲>
M1.予告 
M2,間違い探し
M3.月が溶ける
M4.予告(instrumental)