愛してしまえば、裸になる。

愛してしまえば 裸になる あなたの前では
声 仕草 表情 全て 一枚 一枚 剥がされていく
「愛のせい」/片平里菜

 2017年12月20日に“片平里菜”がニューアルバム『愛のせい』をリリースします。歌ネットでは、タイトル曲「愛のせい」の歌詞先行公開中!彼女はこれまでも多くのラブソングを生み出してきたアーティストであり、とくに“恋する女の子”の想いを代弁してくれる歌詞が印象的でした。ただし、ニューアルバムの【核】はこれまでと少し異なるような気がしております。スポットが当たっているのは、愛。そんな今作を象徴するのが「愛のせい」という楽曲なのではないでしょうか。

 愛してしまえば、裸になる。冒頭から一瞬で心を掴まれるフレーズですね。きっと<わたし>もまた<あなた>の<声 仕草 表情 全て 一枚 一枚>を剥がしていったのでしょう。だから二人は良くも悪くも、お互いに“ありのまま”なのです。全裸の心で、弱さも見せることができて、身の丈も関係なくて、飾らない自分でいられる…。最初はそんな【愛のおかげ】をたくさん感じていたはず。しかし、いつのまにかそれが【愛のせい】に変わってゆくこともあるのです。

銃は持ってない ナイフだって必要ないのに
ねえ 私たち 傷付け合ってしまう 
だってこんなに無防備なんだもの
「愛のせい」/片平里菜

 人は、暑さや寒さ、外からの危険から身を守るために服を着ますよね。それは心も同じなのかもしれません。全心が<こんなに無防備>に曝け出されている<私たち>は、まずお互いの愛の温度を敏感に感じ取ります。熱が高まりすぎていれば、その熱さを疎ましく思う時もある。逆に冷たくなっていることに気づいて、不安になる時もある。そして、その感情を裸の言葉で裸の心に投げつけるから<傷付け合ってしまう>のです。そうするとやがて、身を守るためにまとう“何か”も必要になるのでしょう。

憎んでしまえば 凶器になる あなたの前では
嘘 壁 表情 沈黙 まとっていく
争いは終わってない 熱だって下がってないのに
ねえ 私たち 分かり合えないの
だってこんなに正義が溢れてるの
「愛のせい」/片平里菜

 たとえば、裏切りを隠すための嘘。本音をぶつけないための壁。気づかないフリをするための表情。そういったものを<まとっていく>のです。なぜなら<憎んでしまえば 凶器になる>から。傷付け合いたくないから。つまり、愛しているから。でも<愛してしまえば 裸になる>のなら、そんなものをまとうことは“愛”に反しているようでもありますよね。裸じゃないから<熱だって下がってない>ことをダイレクトに感じ取ってもらうことも、相手の熱を感じることもできません。

そして心閉ざしたのは あなた
鍵をかけて残るのは わたし

奪われたのも 見失ったのも 何も言えないのも 愛のせいよ
裏切ったのも 逃げ出したのも 何も感じれないのも 愛のせいよ
愛のせい…
「愛のせい」/片平里菜

 その結果、<あなた>は<わたし>に<心閉ざした>のかもしれませんね。でも、何があったとしてもこの歌では決して“あなたのせい”とも“わたしのせい”とも言っておりません。奪われても、裏切っても、逃げ出しても、すべてはただ<愛のせい>なんです。もしかしたら「愛のせい」の主役は【愛】そのものと言えるのではないでしょうか。二人はその愛に振り回されながら、どうすれば【愛】に認めてもらえるのか、どうすれば【愛】に愛されるのか、もがきあがいているように思えてくるのです。

 そして、ニューアルバム『愛のせい』にも【愛】が主役である楽曲がギュッと詰まっている予感がします。是非、あなたにとっての愛を、二人にとっての愛を、もっと大きな規模での愛を、感じながらアルバムを楽しんでみてください。まずはアルバムタイトル曲の歌詞を要チェックです。

◆ニューアルバム『愛のせい』
2017年12月20日発売
PCCA-04605 ¥3000+税