そっか、繋いだ手のぬくもりに、意味なんて無かったんだ。

偶然を装うための計算をして
君にかける言葉 必死に探してる
「BABY!」/the peggies

 胸キュン3人組ガールズバンド“the peggies”が、2017年9月6日にニューシングル『BABY!』をリリースしました。タイトル曲に描かれているのは、走り出したばかりの恋心、大好きな人ともっともっと近づきたい想い、高まってゆく<I wanna kiss you, love me baby>という衝動…!この恋を叶えたいからこそ、まずは会えるたびに<君にかける言葉>を必死に探す主人公の気持ち、とても共感できますよねぇ。
 
 みなさんも付き合う前は、喋るきっかけになるひと言やLINEのたった一行に、時間をかけて悩んだ経験があるかと思います。それは<言葉>が関係を動かす大きな力を持っているものだからでしょう。しかし、恋人同士という関係になると、見つめ合ったり、身体が触れ合ったりできる分だけ、<言葉>に頼らなくてもわかりあえる瞬間が増えてゆくんですよね。そして同時に、<言葉>に頼らなくてもわかりあえると思い込んでしまうことも増えてゆくのです…。

初めて繋いだ手はきっと
言葉のいらない約束だった
見えない未来に戸惑って
泣いたり困らせてごめんね

そっか こんな風に謝れるのも
今日で最後なんだね あぁ
もう行かなくちゃ
「ずっと」/the peggies

 今日のうたコラムでは、ニューシングルのカップリング曲もご紹介いたします。タイトル曲「BABY!」とは一転。「ずっと」に綴られているのは、恋の終わりの心模様です。最後になって<初めて繋いだ手はきっと 言葉のいらない約束だった>と、改めて感じた彼女。おそらく“わたし”はその<約束>を、何の疑いもなくお互いずっと守り続けられるものだと信じてきたのでしょう。たとえ、約束を言葉なんかで確認なんかしなくても。しかし、その結果、この恋に待ち受けていたのは<さよなら>でした。

優しすぎるその性格に
甘えて 離れない気でいたんだ
飾られた日々と
何もない二人と
空っぽの花瓶ひとつ

そっか 繋いだ手のぬくもりに
意味なんて無かったんだ ねぇ
気付けなかった

「ずっと側にいてね」
そんな言葉 必要ないって決めつけてた
ずっと言えなかった
素直になんてなれない
明日も明後日も
「ずっと」/the peggies

 彼女が<言葉のいらない約束>として信じていたのは、初めて手を繋いだとき、心のなかで願った「ずっと側にいてね」という想いでしょう。もちろんお相手も、最初は同じ気持ちを抱いていたはず。ただ、月日を重ねて<繋いだ手のぬくもり>を感じるたびに、言葉なくとも約束を確認していたつもりだった彼女に対して、彼の方は手を繋ぐことに、とっくに<意味なんて無かった>のです…。口にさえしてない約束は、なかったことと同じです。

 見えない未来、飾られた日々、何もない二人、空っぽの花瓶…。こういったワードからも、彼は二人の“ずっと”なんて、考えていなかったであろうことが伝わってくる気がします。だけど<優しすぎるその性格>だからこそ、なかなか自分から別れを切り出すこともせず、ギリギリまで<空っぽの>状態で付き合いを続けていたのではないでしょうか。では、もしも彼女が「ずっと側にいてね」と伝えていたら?素直に言葉で約束をしていたら…?その答えはわかりません。また、<ばいばい>という結末が変わる可能性もないでしょう。何故なら、明日も明後日も、彼女は<素直になんてなれない>のですから…。

ずっと忘れないで
最後まで ねぇ
わたし わがままばっかでダメね
ずっと子供だった
守られてばかりいたあの日々に終わりを告げて
ずっと側にいたかった
さよなら もう二度と会えない“二人”に
ばいばい
「ずっと」/the peggies
 
 きっと<ずっと忘れないで>や<ずっと側にいたかった>という言葉も、実際には伝えることの出来ない言葉なのだと思います。何もかも“ずっと”言葉に出来ないまま、何もかも“ずっと”忘れられずに、このまま“ずっと”さよなら。彼女はまだ<初めて繋いだ手>の<言葉のいらない約束>を覚えているからこそ、いっそう切ないですね…。「ずっと」は、恋人同士になってどんなに時間が経っても、相手に伝える言葉はひとつひとつ、大切にしてゆきたいと思わせてくれる、そんな1曲です。

◆◆New Single「BABY!」
2017年9月6日発売
初回生産限定盤 ESCL-4907~4908 ¥1,389(税抜)
通常盤 ESCL-4909 ¥972(税抜)

<収録曲>
1.BABY!
2.ずっと