すべてに意味があるならば、いつか笑って話せる日がくるのかな。

 2021年2月24日に新曲「3分の歌」をリリースした“erica”が、2ヵ月連続配信として3月24日に新曲「今カノさんへ」をリリース!今年の幕開けとなった「3分の歌」はタイトルの通り“3分間”の音源であり、今まで友達の関係だった彼を好きになった女の子の物語。そして今作「今カノさんへ」は、自ら別れを切り出したものの、彼には幸せであって欲しいと願う切ない失恋告白ソングとなっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“erica”による歌詞エッセイをお届け!新曲「3分の歌」への想いを綴っていただいた前回のエッセイ。今回は、新曲「今カノさんへ」に通ずるお話です。大切な恋を失って、今はまだ悲しみや後悔、未練のなかにいるあなたにも、このエッセイと歌詞が届きますように…!

~歌詞エッセイ:「今カノさんへ」~

はじめて出会った日
はじめて話した日
はじめて電話した日
はじめて手を繋いだ日
はじめてキスをした日、、、

あなたとのはじめてを私はまだ
鮮明に覚えている
ドキドキして眠れなくて
嬉しくて涙が出て
ただただ一緒にいるだけで楽しくて幸せだった。

シャボン玉みたいに淡くて脆くてとても愛おしかった
そんな日々もそんなあなたも
そんなあなたが好きな私も
大好きだった。

どんなことも2人なら乗り越えられる。
そんな気さえした。
日々が過ぎると互いに何でも言い合える
隠し事のない関係にもなれた。
だから喧嘩も沢山した。
その度にお互い傷ついて
その分また絆も強くなっていった。
ずっとそう思い込んでいた。

私があなたの元を去って
あなたが私の毎日にいなくなって
これでよかったのだと思った。

一緒にいればいるほど好きなのに苦しかったし
そばにいた「当たり前」は
いつしか「甘え」になっていたから
離れてお互い冷静になれば
気付くこともあるのかなって。

でもそのまま私たちは終わってしまった。
まるで長い夢から覚めたように
跡形もなく「永遠」も「約束」も「絆」も
なくなってしまった。

あの頃は気付けなかったことが
今なら分かる気がした。

好きだけじゃダメなこと
何よりも大切だったこと
一つの恋が終わったこと
ゆっくり流れる時間の中で
少しずつ過去になっていくこと

すべてに意味があるならば
いつか笑って話せる日がくるのかな。

暮れてゆく空を見ながら
季節が変わっていくのが分かった。
手を伸ばした向こうに
はじめて出会った日の私たちが笑っていた。

「ありがとう」
やっと言えた気がした。

涙で滲んだ空はとても綺麗でキラキラ輝いていた。
淡くてもろくて愛おしい
そう。
シャボン玉みたいに。

<erica>

◆紹介曲「今カノさんへ
作詞:erica
作曲:erica・nao