少し前の私だったらこの歌は歌えてなかったと思います。

 2021年1月20日に“ミオヤマザキ”がニューアルバム『Alive』をリリースしました。今作には、生憎の雨。(R指定 vo.マモ)とのコラボ曲「トラウマ彼女」を含む全12曲が収録されております。そして、ミオヤマザキの代名詞とも言える楽曲「メンヘラ」を世に送り出してから5年経った今、彼女が今作に収録した新曲「メンヘラ幸福論」です。
 
 今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“ミオヤマザキ”による歌詞エッセイをお届け。かつて<死にたい、死にたい、死にたい...>と綴られていた「メンヘラ」という楽曲。しかし今、彼女が伝えたいメッセージとは。どうして「メンヘラ幸福論」を書いたのか、どんな想いが込められているのか。是非、歌詞と併せて受け取ってください。

~歌詞エッセイ:「メンヘラ幸福論」~

メンヘラと聞くと「ちょっと病んでいる子」をイメージする人が多いと思います。今ではメンヘラという言葉も多くの人が知る言葉になりました。少し前まではよく分からないヤバそうな人というイメージだった「メンヘラ」。

そんなイメージのある「メンヘラ」をテーマに歌っていたミオヤマザキも、当時はヤバいバンドだと思われていたと思います。今のようにメンヘラという言葉も知られていなかったですし。だけどメンヘラの言葉の意味や捉え方も時代に合わせて変化しているように思います。

かつては<私を愛してくれないなら死んで>と歌っていました。幸せになりたく無い人なんていないし、誰もが幸せなりたい。でも幸せになる方法がわからなくて。愛されたい、愛したい、幸せになりたくて、傷ついて病んでしまうんです。

時代に合わせてメンヘラの捉え方も変化しているように感じますが、やはりどこか、メンヘラな子は可哀想で不幸せという考え方は残っているように感じます。そして私自身も、自分を素直に受け止めきれず、愛してあげることが出来なかった。正直「私はどうせ幸せになれない」と自暴自棄になった事もありました。

そんな中、今までの生活が一変しました。会場で当たり前の様に逢えていたファンの子達とも全く逢えない。先の見えない状況に不安になりました。今までと全く環境が変わり自身を見つめ直す機会も必然的に増えたことで、この1年を通して自分としっかり向き合えたと思っていて。自分と向き合えたことで、私自身が変わらないと何も変わらないという事に気付かされたんです。他の人なら当たり前に出来ていることかもしれないけど、私にとっては頭では分かっていても、実際に行動に移すことは難しかった。

私自身がありのままの自分を受け入れて、愛してあげること。過去の苦しみや痛みを受け入れること。許してあげること。

そんな気持ちを今回<私だって幸せになりたい>と歌っています。メンヘラって可哀想で不幸せっていうイメージを持たれがちだけど、でも傷ついたことがたくさんあるからこそ優しくなれるし、私たちだって幸せになれるよねという歌です。この1年自分と向き合えたからこそ<私だって幸せになりたい>と素直な優しい言葉が出てきました。

少し前の私だったらこの歌は歌えてなかったと思います。自分を許して愛してあげること。ありのままの自分を受け入れるのは確かに怖い。だけどそこを乗り越えたら、見えてくる景色も変わってきました。変わらないと散々いってきましたが、私は変わっていきます。変わらないと生きていけないしね。根本にあるものは変わらないけど、今までとはまた違う景色をファンのみんなと見ていきたいです。

「メンヘラ幸福論」

この歌が今苦しんでいるあなたの背中を押すことが出来たら。そしてあなた自身がありのままのあなたを受け入れてあげられるように願っています。

今苦しんでいる、そんなあなたを救えますように。

<ミオヤマザキ>

◆紹介曲「メンヘラ幸福論
作詞:ミオヤマザキ
作曲:ミオヤマザキ

◆ニューアルバム『Alive』
2021年1月20日発売

<収録曲>
M1.Alive-whereM2.生きてるだけじゃダメですか
M3.男捨離POIPOI
M4.DIY
M5.トラウマ彼女 feat.生憎の雨。(R指定 vo.マモ)
M6.『0428』
M7.AI HACK
M8.ぴえん
M9.いまどうしてる?
M10.セフレ以上恋人未満
M11.メンヘラ幸福論
M12.Alive-here-