なかなか青春を脱ぐことが出来ないよ。

 2019年8月7日に“Karin.”が1stアルバム『アイデンティティクライシス』をリリースしました。彼女は、茨城県の高校生シンガーソングライター。2018年から地元のライブハウスのステージで歌い始め、初めて曲を作るようになってから半年ほどでレコーディングを開始。少し不安定に揺らぐダークな心模様を表現する歌声が魅力です。
 
 さて、そんなKarin.の今作に収録されている楽曲「青春脱衣所」MVのYouTube再生数が、ここ最近急増中!コメント欄を読むと、有線でこの歌に出逢い、歌詞が刺さり、改めてYouTubeで聴くという方が多数な模様。そこで今日のうたコラムでは、その話題曲についての“Karin.”本人歌詞エッセイをお届けいたします…! もうすでにご存じの方も、まだ聴いたことがない方も、是非、歌詞と併せてご堪能くださいませ。

~「青春脱衣所」歌詞エッセイ~

君のことを想って
君の為を想って
傷つかないように、誰も、君も

あの時、君に言った
「周りがどんどん大人になっていくの、
いつしかは自分も大人になるけれど、自分だけ
置いてかれてしまっているんじゃないかと思って、
無価値な夜、私は何も出来ずに
1人部屋の隅で泣いてたんだ」って

ダメな私を叱ってほしくて言ったのに
「僕もそんなことあるよ」と言われた
…少しは否定してよ

無理して笑って、喋って、
どうでも良いことに付き合っていた
そんな無理している自分のことが好きだった
無理をしていると自分への罪悪感が消えて
明日も生きられる気がした

君は「さよなら」の意味を知ってる?
「さよなら」をして、もう会えなくなってしまうのなら
そんな言葉捨てろよ、要らないから

いくら賢い君でも
“明日”のこと“未来”のことは知らないでしょう?
永遠なんて誓えないのに、君と将来について話し合った
私、今の君が好きだから
知らない過去の話をされるのが嫌だった
私がいない世界を想像するのが怖かった

君は大人で良いね、
年齢ばかり気にしてしまう私はまだまだ子供だね

嘘をついた分黒くなる世の中だから
日が暮れると外はもう真っ黒だね
嘘つきな私でも明日になれば大人になる
「嫌だ」と言えない君でも明日になれば大人になる
みんなもこうやって大人になっていくんだね

君の嘘を骨の髄まで愛せなくてごめんね
私の嘘は美味しかった?

みんなが思うほど私は大人じゃないよ
嫌われれば嫌われるほど人に好かれたくなるし、
怖い夢を見たときは無性に人に話したくなる
変わらない、みんなと変わるものなんてひとつもないよ

夜になると独りでいるのが怖くて、
特に用も無いのに君に電話を掛けた
どうでもいい過去の話、知らない間に変わった趣味でも
会話が終わらないように喋っていた
君はこんなことを想ったことある?

私はまだ大人でも子供でもない時期に存在しているから
なかなか青春を脱ぐことが出来ないよ
悪くない、誰も何も悪くないね

初めて好きになった人は
私に愛を教えてくれた

ずっと同じ想いを共有できるものだと思ってた

生温くて逃げ出したくなった夜も
将来のことも 君のためについた嘘も
「狭いね」って言って笑いあった四畳半も
全て忘れられるように歌っているのに

一番覚えていて
たぶんこの先も思い出すのだろう

<Karin.>


◆紹介曲「青春脱衣所
作詞:Karin.
作曲:Karin.

◆「青春脱衣所」MV

◆配信リンク

◆1stアルバム『アイデンティティクライシス』
2019年8月7日発売
UMCK-1630 ¥2,000+税

<収録曲>
1 愛を叫んでみた
2 teenage
3 だいじなもの
4 貴様に流す涙なんて
5 白色のコンバース
6 あたしの嫌いな唄
7 エンドロール
8 青春脱衣所