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「Re:NAME」は遺書のような気持ちで書いた1曲。

―― 今作『愛 am BEST, too』の曲順はどのように決めたのでしょうか。

まず、アルバム全体の音楽感を【コンビニ】のようだと思いまして。24時間、いつでもどこでも身近にあって、人々の記憶に寄り添いますという。なので<DISC1>の1曲目「私」で<夜が明けてく>ところから始まって、2曲目「さくらんぼ」からアッパーな昼帯の曲たちが並び。そして14曲目「ネコに風船」あたりから夕暮れが始まって、<DISC2>の1曲目「LOVE FANTASTIC」からは夜枠。最後に「Re:NAME」でまた夜が明けてゆく…という構成になっているんです。

―― 「ベストならこの曲は必須!」という代表曲はもちろんですが、愛さんのサジ加減で収録されている曲も多いですよね。

そうなんですよ。ただ、その「入れなきゃいけないんだろうな」って曲がわりと占めちゃったので(笑)、残り枠は少なくて、すぐ埋まりました。私のサジ加減で入れたのは、どこかしらで自分の評価が高い曲だと思います。歌詞面で言えば、大人になるにつれて「恋愛はオプションのひとつに過ぎない」と考えるようになってきて。人生にはそれ以外の楽しさがこんなにいっぱいあるんだという想いも大きくなってきたんです。なので、そういう気持ちを描いた歌詞も知ってほしいなぁ、と曲を選びました。

―― <DISC1>の11曲目「TOKYO散歩」なんて、まさにそういう曲ですよね。恋愛関係なく自由に<私も今日はお洒落して 好きなものに出逢いたいの>と“今”を楽しんでいる感覚が、とても好きです。

嬉しい!どうか歌ネットで広めてください(笑)!なんか…人生も旅だなって思うんですよ。自分で行って、歩いて、感じて、深まってゆくというか。それに、悩みを抱えて暗い気持ちでいるより、どんどん外に出ていろんな新しいものを知ることで「あ、意外とあんなことどうでもよかったんだな」って思えたり。そんなポジティブな気持ちになれる曲なので、私も好きなんです。まだ肝心のMVがないので、作りたいなぁ…って思っているところです。

photo_01です。

―― また、収録曲のラブソングをざっくりと【両想い】【片想い】【失恋】に分けてみたところ、圧倒的に【両想い】ソングが多かったのが印象的でした。

えぇー!?そうなんですか!?意外、知らなかった。そういえば私、気分が落ちているときには、音楽ができないんです。私の悲しいときって、結構なドン底なので「それどころじゃない!曲なんて作ってられないのー!」って感じで(笑)。だからかなぁ。でも、恋愛のどこを切り取るにしても、いつも終わってから歌詞を書きますね。ちょっと時間が経って、自分自身が冷静に感情を見つめられるようになって書いているものがほとんど。その心境の真っ只中にいるときに作ることって少ないです。

―― 愛さんのTwitterではベストアルバム記念企画で『あなたの思い出の大塚 愛楽曲』投稿キャンペーンをなさっていますが、ご自身の“思い出の楽曲”も気になります。

おぉ~難しい。制作中の本当に個人的なエピソードになっちゃいますけど、とにかく「金魚花火」のときは…身体がしんどかった(笑)。この頃、本当に「どうしてこんなことに…?」みたいな殺人的スケジュールで。MVを撮るってなると、早朝から翌日の早朝までとか普通で、なんなら翌日の昼までとかもあって、ほぼ眠れてなかったんですよ。

―― 壮絶ですね…。

「金魚花火」のMV撮影も深夜帯を越えていたんですけど、夜中の3~4時くらいに、少し待ち時間になりまして。私は少し横になって寝たんですよ。で、しばらくしたらマネージャーさんが起こしに来て。でも、私を呼んでいる声は聞こえるのに、身体が動かないんです。どんなに大声で「大塚~!大塚~!」って呼ばれても、全く起きることができなくて。

―― 金縛り状態だったのでしょうか。

そうそう。スタッフも私も「どうしたらいい?」という状態でした。その頃はちょっとしんどかったですねぇ。だから初期系の曲は「きつかったな…」という思い出がいっぱい(笑)。「CHU-LIP」のMV制作のときなんかも、夜の2~3時になるとみんな空腹と疲労で喋らなくなってきたり。改めて、あー今はなんてまともな生活を送ることができているんだろうって思います(笑)。

―― では“今の大塚 愛”にもっともフィットする曲というと?

歌詞的には「Re:NAME」が一番好き。私は今まで、偽善的に聞こえる言葉って大嫌いだったんです。だけど“生きているって素晴らしい”という想いを、こんなに普通に書けたこと、思えたことは、自分にとって新鮮でした。そういう曲を自分で作ることができて「あー、よかったな」って。こんなに「死にたくない」って思ったことなかったな、って。

―― それまでは、そうではなかったのですね。

はい、挫折の人生ですから。消えたいと思ったことなんて、いっぱい、いっぱい。だからこそ、そんな私が「いや、今は絶対に死ねない、死にたくない」と思えたことが、本当によかったです。この歌を作ったのって2013年なんですけど、やっぱり娘に出会えたことで、毎日生き延びる幸せをすごく感じたんですよね。あぁ、こんなに幸せなんだ、生きるって、みたいな。それまでの私ならゾッとしてしまうような言葉を素直に実感しました。

そして年を重ねていずれは、娘より先に私がいなくなってしまう日がやってくると思うので、そのときにこの「Re:NAME」が彼女にとって、私の化身のような歌になればいいなと思って。どこか遺書のような気持ちで書いたんですよ。だから思い入れの強い1曲ですね。

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