12月31日『第68回NHK紅白歌合戦』が生放送され、白組が勝利を果たしました!2017年の紅白には「安定」「無難」との意見が多数。とくに総合司会・内村光良の進行は“視聴者が安心して観ていられる”と、SNS上で絶賛されておりました。さらに、安室奈美恵や桑田佳祐の特別出演も無事実現!非常に充実した内容だったように思えます。ただ、平均視聴率は39.4%で、史上ワースト3位だそう…。それは番組全体の「ドキドキ感やスリル不足」だと指摘する記事もございました。
 しかし、歌詞アクセス数に表れた紅白の反響に注目してみると、たとえ大それた企画や演出でなくとも、圧巻のステージで確かに視聴者の方々の魂を震わせたアーティストたちの楽曲が上位にランクイン!この特集では、そんな“紅白効果”を分析してみました。
 最も歌詞アクセス数が上昇したのは、欅坂46の「不協和音」です。2017年4月5日に配信リリースされたこの曲は、プラチナリリックに認定されている歴代人気曲。<僕は嫌だ>という叫びが込められたメッセージ性の強い歌詞や、アグレッシヴな激しいダンスが印象的で、紅白での歌唱によりさらに幅広い世代に、その熱量の強いパフォーマンスが届きました。紅白放送後には、通常の約9倍のアクセス数を獲得しております。
僕は嫌だ
不協和音を
僕は恐れたりしない
嫌われたって
僕には僕の正義があるんだ
殴ればいいさ
一度妥協したら死んだも同然
支配したいなら
僕を倒してから行けよ!
 また、紅白当日にはハプニングも…。欅坂46は通常通り「不協和音」をパフォーマンスした数十分後、内村光良とのコラボで、再びサビ部分のダンスを披露。その際、メンバー3人が過呼吸のような状態に陥ってしまったのです。しかし、ふらつきながらも、全身全霊で最後まで激しいパフォーマンスを続けるセンター・平手友梨奈の姿や、そんな彼女と隣り合った瞬間にそっと「大丈夫?」と声をかける内村さんの姿は、強く印象に残ったのではないでしょうか。SNSでは「紅白で感動して欅坂を好きになった」という声も少なくありません。歌詞アクセス数からも、多くの視聴者が、彼女たちの圧巻のステージに胸を打たれたであろうことが伝わってきます!
「よー、そこの若いの」 /竹原ピストル

よー、そこの若いの
こんな自分のままじゃいけないって
頭を抱えてるそんな自分のままで行けよ
 紅白効果の【楽曲別アクセスランキング】TOP20内にランクインしている楽曲のうち、6曲が【紅白初出場】アーティストの楽曲であることにも注目です(※初出場・トータス松本と、椎名林檎のコラボ曲「目抜き通り」を含む)。とくに2位の竹原ピストル「よー、そこの若いの」は、通常の約8倍のアクセス数を獲得。人気CM“住友生命『1UP』”で流れており、誰もがワンフレーズは聴いたことがあるはず。ただ「どんなアーティストが歌っているのかは知らない…」という方も多かったようです。

 それは、同じくCMソングにてブレイクした、WANIMAやSHISHAMOにも通ずることでしょう。そのため、初出場者が発表された際には「知らない歌手ばっかり…」というマイナス寄りな声も多々ありました。しかし実際に紅白にて、そのアツくまっすぐな歌声がお茶の間に届くと「あの曲の人だったのか!」「知らないアーティストだったけど好きになった!」という反応へと変わっていったのです。そして「良い歌詞だったから検索してみよう」と。そのような、新鮮な出逢いが【紅白初出場】組の歌詞アクセス上昇に繋がったのでしょう。
「ノンフィクション」 /平井堅
僕はあなたに あなたに ただ 会いたいだけ
信じたいウソ 効かないクスリ
帰れないサヨナラ
叫べ 叫べ 叫べ 会いたいだけ
さらに、紅白のみならず年末の音楽番組でもっとも歌詞人気が再燃したといえるのは、平井堅「ノンフィクション」でしょう。尚、12月31日のデイリーランキングでは首位に君臨。彼はこの曲を歌うとき、どの音楽番組でも必ず片手に花束を持っているんです。もちろん紅白でも。おそらく、その理由は「ノンフィクション」が“亡くなってしまった友”を想って作られた楽曲であるから。そんな痛切な気持ちを捧げる歌声が、聴く者の魂を揺さぶらないわけがありません。多くの方がこの曲から強い<歌詞力>を感じたことが“紅白効果”にも表れておりますね…!
 前述したように、2017年は良くも悪くも「安定」で「無難」なステージであったと言われております。しかし2016年は、逆に「グダグダ」「ガチャガチャしすぎ」という厳しい声も上がっていたのです。それに比べると、今回はより【歌詞】にスポットが当たりやすい、シンプルイズベストな紅白だったのではないでしょうか。さて、2018年はどんなアーティストたちが初出場を果すのでしょうか。米津玄師?back number?気が早いですが、今年の紅白も楽しみですね…!