幻想庭園

黄金の空のしたで
眠りについた廃墟の
隠された鉄の門が
追憶のように開く
秘境の花園は
神秘なる薫りで
溢れる

それはかすかな郷愁
そして少しの哀しみ
わたしは言葉を失くし
幻想のなかを歩く
角を持つ獣が
やさしい目を向けて
佇む

夕昏には
金の光が満ち
炎に燃える
麗しきこの庭園
幾千ほどの
薔薇たちが見る夢の
ひとつひとつを
数えながら
時を
過ごした日々が
遙かな昔
それでも
あったような
気がする
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