港が見える丘

あなたと二人で 来た丘は
港が見える丘
色褪せた桜 唯一つ
淋しく 咲いていた
船の汽笛 咽(むせ)び泣けば
チラリホラリと 花びら
あなたと私に ふりかかる
春の午後でした

あなたと別れた あの夜は
港が暗い夜
青白い灯り 唯一つ
桜を 照らしてた
船の汽笛 消えてゆけば
チラリチラリと 花びら
涙のしずくに きらめいた
霧の夜でした
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