風が泣くとき

風に誘われ 男は歌うよ
闇に凍えて
身を切る 木枯らしに乗せて
ひとときだけ帰る 想い出の歌は
寂しい男の 流し歌

風と一緒に 男は走るよ
きいてくれるな
俺たち 行く先は闇さ
はぐれたもの同志 ぬくもりを逃げて
つめたい日陰を 生きて行く

風に吹かれて 男はわらうよ
知らず知らずに
こころを かわかせたままで
恋も夢も過去も 口笛で捨てた
気がつきゃ独りの はぐれ道

風に押されて 男は旅立つ
死んでたまるか
おまえに 会うまではきっと
ひとつだけの命 この腕に抱いて
見上げりゃ遠くに 夜明け星
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