みちのく鯉次郎

縞(しま)の合羽に 磐梯山(ばんだい)おろし
肌を突き刺す 猪苗代湖(いなわしろ)
義理のしがらみ 情けを捨てて
北へ流れる 流転笠
「ちょいとお待ちよ お若ぇの…」
男 みちのく 鯉次郎

蔵(くら)の喜多方(きたかた) 地酒を酌(く)めば
誰が唄うか 新相馬(しんそうま)
酔えば気になる 鳥追いおんな
惚れてどうなる 恋じゃなし
「ちょいとお待ちよ お若ぇの…」
男 みちのく 鯉次郎

月の月山(がっさん) いで湯の鳴子(なるこ)
キラリ光るは 最上川
どうせ帰れぬ 故郷の空にゃ
明日(あす)も落葉と ふたりづれ
「ちょいとお待ちよ お若ぇの…」
男 みちのく 鯉次郎
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