倫々々

倫々々と風鈴の音がまた夏を遠ざける さよなら呟いて去っていった君よ
倫々々と秋風の懐かしきあの調べ 悔やめど月影はありし日のまま

別れを惜しむ花火の光 水辺に揺れる二人の心
ゆかた姿のきみは夕凪 袖の香りに夜露が落ちる

芒(すすき)の唄にひとときの夢 気づいたらもう夏が過ぎてゆく

倫々々と空高く舞い上がる鳥たちは 夕日を仰ぎ見て暁を待つ
倫々々と風鈴の音がまた君を想わせる 儚き浮世の運命と知って…

夜風が二人の心急かして 淡く切ない恋に戸惑う
燃ゆる想いも言い出せぬまま 夏の夜空に花火と散った

巡り巡って出会う御縁も 木の葉と散ってまた咲く日を待つ

倫々々と秋風のざわめきに身を寄せて 届かぬ面影にさよなら告げる
倫々々と風鈴の音がまた君を想わせる 儚き浮世の情けを知って…

倫々々…
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