北の里唄

風の便りにヨー枕をぬらす
離ればなれの二人にも 春はきっと来る

東京へ行ったきり 帰ってこない
必ず迎えに 来るといい
祭りの晩に 抱きしめた
あの日の指切り わすれたか
里の裏山 藪鶯(やぶうぐいす)が
鳴いてあんたに ホーホケキョー

惚れてしまえば 女のまけよ
今年も雪んこ 里に降り
お地蔵さんは 綿帽子
お嫁にゆけるのは いつの日か
早く帰って 帰ってこいよ
あんた逢いたい 逢いたいよ

軒の氷柱(つらら)がヨー 解けだすころにゃ
白いりんごの花が咲く 春がやって来る
×