男鹿の子守唄

冬は男の海のごと
人訪れることもなき
風花うたう 男鹿の海

夏は女の海のごと
人恋しげな素振りして
山撫子に 何語る

海と空との交わりに
ただ悲しげにかもめ舞う
鉄紺の海 音高く

風が散らせし花達を
拾い集める人もなく
涙流さん 人知れず
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