Silent Fiction

午前3時 すべりだいの上に座る
そこは私だけの場所

ふと思い巡らす
影を失った雨の日の日時計はどんな時を刻んでいるんだろう

そっくりな顔の親子が向こうから笑いながら歩いてきた
なんでもない顔をしてすれ違う
涙にじむのはなんでだろう

見つけても 触っても 探しても 逃げても
暗い闇の物語
無くしても 走っても 叫んでも 迷っても
全てはもう胸の中に

時のむこう いくつもの見えない炎が いくつも
わたしは目の前でおびえながらその炎を触っている
その前で笑いながら炎を指さしている

見つけても 触っても 探しても 逃げても
暗い闇の物語
無くしても 走っても 叫んでも 迷っても
全てはもう胸の中に

ふたりをつなぐものはなんだろう
あなたに見せたくて撮った写真や
木々の揺れる影にずっと見とれていたこと

伝えるべきことはなにもない
ただポケットに隠し持って 指でなぞっていたいだけ

どこかで目覚まし時計が鳴っている
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