親父殿よ~ウヤウムイノウタ~

たまに田舎に帰っても 相変わらずさ会話が少ない
野球大好きで 頑固者 島の子供達に教えてた

息子が自信をなくして 帰って来たら
あの頃と少しも変わらない情熱で
若い頃の話を聞かせてくれる
そして最後にポツリ 「お前ならできるさ」と

親父殿よ あなたの生き方が
正しいか 間違いかなんて分からないけど
一つ一つ 顔に刻みこまれた 深いシワがいとおしいのさ

昔みたいに遊ぼうと 三線片手に近くの浜辺へ
生まれ島の酒に酔うほどに 照れも隠れるほど赤くなる

「お前とこうして飲む日が来るってことは
俺もずいぶん年をとってきたものだ」と
うれしそうに微笑む あなたを見ては
ふっとぼんやり思う 「だんだんと似てきた」と

親父殿よ あなたの青春が
かっこいいか悪いかなんて 分からないけど
今の俺より泥と汗にまみれて 生きてきたこと伝わるのさ

親父殿よ どの親父様が
勝ったか負けたかなんて どうでもいいこと
家族のため いつも走り続けた
そんなあなたが誇らしいのさ

親父殿よ…
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