ひとしずく

雨は若葉の色を濃くする
涙も愛を深く染めゆく

出逢える前に戻れてもまた
今ある孤独 迷わず選ぶ

永遠も追い越すほどの
一秒のきらめきを 重ねたふたり
寄り添うより 深い海へと溶けあった

あなたと生きた幸せを
ひとしずくでも 注いだら
雲の彼方の哀しみも
薄め散らして消し去れる

足もと埋める 花びら触れて
隙間なくただ 愛敷きつめて

風におびえた日の足跡も
確かな“ふたり” 綴れた(つづれた)キセキ

楽しい夢 目覚めたあとの
やるせなさより つらかった 扉の向こう
本物の愛しさへ 辿り着きたい

あなたがくれた物語
ひとかけらでも なくせない
分かつ痛みも愛しくて
たとえ届かぬ願いでも

あなたと生きた幸せを
ひとしずくでも 注いだら
闇抱く空の哀しみも
薄め消し去る朝が来る

肌、心が覚えてる
いつも願えば そばにいる
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