悲しみにさようなら

上品な柄のマフラーを巻きつけると
陽が射す部屋に突然広がる 12月の匂い

吸い込んだ空気の厳しい冷たさが
コートごしに胸をきつくしめつける
12月の空は 意外なほど青い

ひとりで生きてゆくことに
慣れたら忘れられるはず

冬枯れの街角でふと 想い出たちが通りを横切っていく
舗道の落ち葉ざわめきを ききながら手を 手をふった

温かいモカを優しい言葉たちが
カフェーの窓を白く曇らせる
12月の午後は いつもどおりの風景

泣いてるこころを隠して
笑えたら忘れられるはず

ガラスごしの街は冬色 想い出たちが肩をそっとたたく
頬杖ついたまま知らん顔 気づかないふり ふりをした

悲しみにさようなら いつか 新しい場所をきっとみつける

冬枯れの街角でふと 想い出たちが通りを横切っていく
舗道の落ち葉ざわめきを ききながら手を 手をふった
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