新宿物語

少年は月を見て 毎晩アポロを探してた
青年は書(ホン)を閉じ 西口広場を目指したが...
long long ago long long ago
「時代は変わる」と唄えば それだけで自由だった

十七の夏だった 初めて独りで旅立った
臆病な夏だった 怖くてすぐに逃げ出した
long long ago long long ago
肩まで伸ばす長い髪 それだけで自由だった

何処から来たのか、何処へ往くのか
帰れないのか 帰らないのか
海原に立つ案山子

浮かれて踊り明かし 眠りを忘れた泡沫
朝焼けの新宿で カラス啄ばむ夢の痕

あのときの少年は月の面影 今も追う
あのときの青年は迷い乍らも歩いてる
long long ago long long ago
すべて時代のせいにして 余りにも自由だった

long long ago long long ago
時代に乗るか乗らないか ここからは自由だ

long long ago long long ago
時代に乗るか乗らないか ここからは自由だ
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