恋人たちの時間

時計が約束を忘れて
テレビは退屈を流す
悲しい小説を開けば
ようやく待ちかねた電話
彼の声の優しさが 私の仮面をはがす
鏡に微笑みがこぼれて
不安が駆け足で逃げる
恋はいつも不意を突き
私の心を捉まえる

きれいな灰皿を揃えて
部屋にはコーヒーの香り
写真が想い出をささやき
期待がドアに手をかける
彼が愛をさし出して私の孤独は終る
時計は約束を守って
静かに夜明けまで眠る
恋は夜を誘いこみ
二人の時間を奪い去る
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