海峡の夜が明ける

可愛い 顔して なぜ泣くの
ハンカチさしだす 見知らぬひとよ
わかれて来たとは 言えない辛さ
どこへ行く北へ行く 吹雪がしみる
女が身をひく わかれ船

つくして つくして 不しあわせ
男を信じた わたしがばかね
残りはいとしい 命がひとつ
東京よ遠くなれ ふりむかないわ
みれんを断ちきる わかれ船

かもめよ ここから おかえりよ
戻りの潮路は また雪のなか
ゆられて二時間 ちらちら灯(あか)り
海峡の夜が明ける わたしは生きる
男と女の わかれ船
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