たそがれの御堂筋

胸深く 君想う
舗道につゞくこの並木
あの時の 影のこす
銀杏の梢
君と歩いた 想い出よ
腕に縋った あの瞳
あゝ かえらぬ人 消えた靴音
たそがれの たそがれの 御堂筋

耳もとで 恋人と
呼んでもいゝと さゝやいた
いつまでも いつまでも
よりそいながら
星は明るく 輝いて
風は歌った 恋の唄
あゝ 二人だけの 楽しい路よ
たそがれの たそがれの 御堂筋

涙ぐみ ひとり往く
近づく夜の 並木路
追憶(おもいで)は あのビルに
ともる窓の灯
メトロへ降りる 階段の
手すりに浮かぶ 白い指
あゝ かえらぬ人 儚ない夢よ
たそがれの たそがれの 御堂筋
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