男の燈台

酒場は男の 燈台と
いつか誰かが 云っていた
こころ時化(しけ)てる 路地裏で
みつけた提灯(あかり)の 暖かさ
生きぬく生命(いのち)の 灯(ひ)がともる

徳利を並べて ゆらゆらと
酔えば一夜(いちや)の 酒の舟
遠い彼方で 呼ぶものは
可愛いあの娘の あの胸か
それとも忘れた あの夢か

嵐の夜更けが 過ぎたなら
凪(なぎ)の夜明けが 来るという
溺れかけてた 俺だけど
無情(つめたい)ばかりの 都会(まち)じゃない
情けの涙も 明日もある
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