演歌船

波に頭を ぶんなぐられて
プロになるのさ 北洋の
時化を怖れぬ 荒くれたちも
赤い夕陽に おふくろの
影を重ねる ヨーホホホ 演歌船

親父ゆずりの 塩から声で
歌う恋唄 こがれ唄
ここはさいはて スケソウ船の
銹びたデッキに 咲く花は
浪と鱗と ヨーホホホ 雪の花

涙だけしか あげられないと
別れ惜しんだ あの女は
無事にいるやら 根室のあたり
青く尾をひく あの星に
思い届けと ヨーホホホ 演歌船
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