黒猫

枯葉散る 裏窓へ
黒猫のように しのびくる夜よ
ため息の この部屋で
飼いならしても なみだ誘うお前よ
ああ悩ましい 恋、恋ゆえに
わたしの夜は 悲しみの黒猫
ときに気高く ときに狂おしく
わたしの夜よ 悲しみの黒猫

ああオパールの その瞳
あやしく燃えて 幻を映すよ
そしてせつなく 躯すりよせる
お前は夜よ 悲しみの黒猫

ほの暗い 裏窓へ
黒猫のように おとずれる夜よ
なぐさめは お前だけ
想い出さえも 消えかかる炉辺の火よ

ああ捨てられた 恋、恋ゆえに
わたしの夜は 悲しみの黒猫
だけど夜明けに どこへ去りゆくの
わたしの夜よ 悲しみの黒猫
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