お祭り鴉

親が恋しい 年頃に
なってしみじみ しのぶ顔
風の便りは もう聞き飽きた
せめて情けの
声が聞きたい 母恋鴉

祭り太鼓に 誘われて
来れば宿場は 通り雨
旅は憂いもの 八幡さまの
あばれ神輿に
羽をとられた お祭り鴉

ドスは捨てても 捨てられぬ
昔なじみの 里の唄
母は何処か 東か西か
泣いて一ト節
節でうらなう 風吹き鴉
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