妻恋双六

生れ故郷も ふた親さまも
はぐれ鴉にゃ 用はない
どうせ俺らは 浅間の煙り
風のまにまに 散る命

惚れた阿呆に 好かれた阿呆
それが恋なら それもよし
結ぶ草鞋に 絡まる紅緒(べにお)
乙な木曽路の わたり鳥

三月三年 ながれた雲に
明日の運命を また賭ける
落ちて裏目の 妻恋笠に
お陽(ひ)は照らずに 雨が降る
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