隠岐の恋歌

花が咲く春なのに あの人は帰らない
たたずむ国賀海岸(くにがはま) 夕陽に泣けてくる
潮の匂いに 顔をうずめて
抱かれたいのよ も一度やさしく
隠岐の恋歌 逢いたい人よ

海鳴りを聞くたびに あの人を思い出す
別れた桟橋に 今夜も星が降る
盆の精霊船(シャーラ)を 見送りながら
きっと戻ると 涙で誓った
隠岐の恋歌 逢いたい人よ

今日来るか明日来るか あの人を待ちわびる
焼火(たくひ)の御神火(ごしんか)よ この海照らしてよ
月に一声 啼く海どりよ
人の心の あてなさ哀しさ
隠岐の恋歌 逢いたい人よ
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