海蛍

暗い波間に 漂(ただよ)いながら
誰をさがすか 海蛍
砂に消え行く 波音が
女の心を また泣かす…
あなたにあなたに 愛されてると
信じていたのは 私だけ
涙ほろほろ 哀しみ抱いて
ひとりたたずむ 夜の海

恋にはぐれた 涙の色か
青くきらめく 海蛍
戻るあてさえ ない人を
待つのは愚かな ことですか…
二人に二人に 別れが来ると
知らずにいたのは 私だけ
潮風(かぜ)にゆらゆら 乱れる心
少しあなたを 怨みます

あなたにあなたに 愛されてると
信じていたのは 私だけ
夢も散り散り こぼれて落ちて
ひとりぼっちの 夜の海
×