ウサギノメ

淡い朝もやの中 遠くなるタクシーに
見えなくなるまでずっとずっと手を振った

窓がさえぎって 声は聞こえない
ありがとうっていうひとことが
もう届かない

真っ赤な目で ただ寂しくて
ひきとめることも出来ずに
立ち尽くしてるだけ
ああ さよなら言えてよかった
困らせることしか出来ない
私に今日さよなら

震える夜はなぜかいつも
あなたからの電話
甘えてよりかかることが
当たり前になってた

大事なことを 忘れないでと
受けとめる強さを 教えてくれたのに

ああ 大好きなあなたといれたら
何もかも怖くはなかった
私だけそう思ってた

派手な黄色い靴も
変な形の服も
優しいその笑顔も
ここにはもう いない

真っ赤な目で 平気なふりして
朝まで傍に居てくれた
あなたにさよなら

ありがとうはもう言えないけど
最後のプレゼントの意味を
大切に育てるよ
×