えにし川

情ほしさに 涙をしぼる
しぼる涙が 又からむ
心束ねた 結び目が
にじんでほどける 水たまり
何故に渡れぬ えにし川

男らしさの 器に惚れて
ついてきたのも 夢のあと
女ごころは 笹の舟
やさしいあなたの 櫓が欲しい
抱いてください えにし川

見ても見ぬ振り しあわせなんて
急ぐその度 遠くなる
酒のしずくを 文字にして
あなたが命と 指で書く
ひとり淋しい えにし川
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