残波岬

波の花散る
岬に日が落ちる
声をしのんで 娘が泣いた
赤い夕日に袂(たもと)を染めて
恋しい人に あぁ 泣いた

好きで添えない
この世の運命(かなしみ)に
島の千鳥も 後追い鳴いた
想いとどかぬ片瀬(かたせ)の波よ
逢いたい人は あぁ 遠い

暗い岬に
ポツリと灯台(ひ)が点(とも)る
はるか潮路(しおじ)を 涙が走る
いっそ散らそか荒磯(あらそ)の波に
十九の春を あぁ 泣いて
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