アンジャベル

絢爛 深々ただ散り急ぐは 花弁
桜化粧 積もりゆけば
旋風 舞い上がる 薄紅色は雪花演舞
霞降る 音も絶々 見上げる桜に写すは母なる面影よ

残月 白み行く夜空 浮かび 確固
見えざれど消え得ぬ想い
悠然 満ち欠けを漂う姿 雪月風花
君よ今 何を想ふ? 見上げる 月夜に写した面影

君の言葉に花束を
君の想いにこの詩を
君の命にこの声を
無垢の敬愛込めて

人は産まれて 思春期を過ぎ 恋を覚えて 大人になり
愛を求めて 契り交わして 命を宿し 親になって
年を重ねて 意味を重ねて 命を終えて 土に還る

その前に

君の言葉に花束を
君の想いにこの詩を
風に舞い散る花弁よ
宙に佇む残月よ
母の命にこの声を
無垢の敬愛込めて
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