色恋沙汰

空低く雲携え
木々の肌匂わせている
火照った頬に若葉が切絵を映して
これっきりの日とあなた

空深く雲黙らせ
海の肌撫でつけている
翳った指に籠る温もりを隠して
これっきりの夜とあなた

噫!
世界とまさに出会そうとしている
二度と来ないわたしの今日
二人と居ないあなたの所為

空遠く雲藍染め
今の肌通わせている
乾いた口に淀む言の葉を焦がして
潤んでは出合う眼差し
生きているわたしと
これっきりの今日とあなた
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