面影橋で

アパートの下の柿の木の
葉っぱを揺らして都電が通る
一輪挿しのコスモスと
そろいの模様の湯呑みをふたつ
ちいさなコタツにのせました
東京の隅っこで幸せを
はじめてこの手にのせました
面影橋で 面影橋で

なつかしい街をあれからも
淋しくなるたび訪ねてみます
面影橋に吹く風は
閉ざした胸の小窓を開けて
笑顔をくれそな気がします
若さというには あまりにも
幼くせつない 恋でした
面影橋で 面影橋で

若さという名のあやまちは
こわれた ふたりのたからもの
面影橋で 面影橋で
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