さすらい人のバラード

屋根に石のせた古い漁師町
窓を飛び去って消えたよ
ひとり旅ですか??
ぼくも退屈で話し相手が欲しくて

無口ですね さっきから海ばかリ
見ている頬づえついた顔の
淋しい影が気にかかる

実はぼくも 意味のない旅ばかり
最後に恋人にも振られた
まあ さすらい人で‥‥

野球中継のラジオだけが
青い汽車に流れてる

生きているだけで辛いこともある
笑い飛ばすのが一番
波が高いよね
暗い眼をすれば 景色も暗く見えるさ

次は何て名前の駅だろうか
不幸という駅なら降りずに
希望という町へ行こう

雨が降れば傘をさせばいいのさ
哀しいことは忘れちまえよ
すぐ瞳も渇く

ゴメン ついぼくの悪い癖で
説教じみてしまった

微笑んだね それでいいよいいのさ
ほんとは君を一目見た時
心をひかれていたのさ

人ってのは 時の汽車に偶然
乗りあわせたみずしらずの乗客
ただ それだけのこと

手のひらのミカンひとついかが?
青い汽車に揺れながら
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