冬の蝉

季節はずれの 蝉がなく
熱いあなたの 腕の中
好きだから
好きだから 命をけずり
あなたに抱かれて 世間にそむく
愛が愛がせつない あゝ冬の蝉

指でおさえる ほつれ毛に
愛の残り香 からみつく
長いこと
長いこと 忘れていたわ
女のよろこび 吐息の熱さ
明日は明日はいらない あゝ冬の蝉

もしもわたしが 死んだなら
涙ながして くれますか
愛されて
愛されて きれいなままで
千年万年 生きられたなら
それもそれも倖せ あゝ冬の蝉
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