Miss Lonely

ミス・ロンリー
調子の狂ったピアノのふたをあけてみる
初めて人前で弾いた
短い曲を覚えてる

サクラの季節がめぐり来るたび
男の子たちを思い出す
女王のたすきをかけて微笑む
ほこらしそうな自分が見える
ミス・ロンリー

紅すぎる口紅と
肩の落ちそうなワンピース
あてもなく迎えに出る田舎の駅

今でも遠い半島の国で
あの戦争は続くから
本気で愛したあの人はまだ
まだ帰れない私のもとへ

ミス・ロンリー
50年前の日付のままカードを書く
ときには写真に向って
白い髪を編んで見せる
ミス・ロンリー
身の上話をまともにきく人はいない
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