白い部屋

もう何も考えないよ
ぼくの背中に爪を立て
高まってゆく君は とても綺麗だし
揺れながら 揺れながら
魂の海を 漂うだけさ

だってここは白い部屋だもの
窓の外が嵐でも天気でも
どうでもいいことさ
倖せだよね 倖せだよね 倖せだよね

横須賀の暗い港に
ミッドウェーがはいる
疲れた顔の水浜の一人が
泣きながら 泣きながら
人は兄弟だと デモ隊に叫ぶ

だってそれは七時のニュースだし
君がテレビのチャンネルをまわしたら
通り過ぎる事さ
それだけだよね それだけだよね
それだけだよね

もう何も考えないよ
ぼくの頭は空っぽで
君が小さな叫びを洩らせば
果てしなく 果てしなく
心の宇宙を駆け巡るのさ

だってここは白い部屋だもの
愛するより大切なことなんて
人にあるだろうか
静かだよね 静かだよね 静かだよね
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