ペットショップ

死にたがりのハムスターがペットショップで回ってる。
ねばりつく熱帯魚の感覚。
風船乗りにでもなりたい。
いっぱいの虫の卵でこんなに頭がふくれるんだ、破裂しそう。

全部、バクテリアの世界。
本当は僕らのものじゃない。
だから何も感じないや、別に。別に。別に。

電線の上、綱わたり。合唱部は悲しい唄。
イワンのバカは落下してった。
誰もいない市営プール。非常階段にはふたり。
抱きあっても混じる事はない液体。

全部、バクテリアの世界。
本当は僕らのものじゃない。
だから何も感じないや、別に。別に。別に。

どうか僕に武器をください。
駄目なら薬でもかまわない。
間違い探しはもう、おしまい。おしまい。おしまい。

全部、バクテリアの世界。
本当は僕らのものじゃない。
だから何も感じないや、別に。

暗がり―――。
閉まったペットショップでハムスターは回り続けてる。
「カラカラ……」
千回、二千回、三千回、何千回?
死んだ。
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