百花繚乱

覚えてますか 初めて誰かを
愛した頃の 春の日差しを
生まれたことの 喜びに似た
胸のときめき そして切なさ
スミレ 撫子 人知れず
つのる想い艶やかに

しとしと雨が 続くこともある
思い通りに 雲が晴れずに
だけど時には それもいいかと
縁側に立ち ため息ついた
アヤメ シャクナゲ くよくよと
悩むよりもしっとりと

(あ…)
四季それぞれに華があり 愛それぞれに人がいる
人それぞれに恋をして 百花繚乱 したたかに

桔梗 コスモス 振り返る
路に揺れてひっそりと

枯れ葉を叱る 木枯らしを過ぎて
ひとりぽっちの 雪に埋もれる
だけど時には それもいいかと
両手に息を 吹きかけてみる
椿 ツワ蕗 寒々と
また来る春 待ちながら

(あ…)
四季それぞれに華があり 愛それぞれに人がいる
人それぞれに恋をして 百花繚乱

(あ…)
四季それぞれに華があり 愛それぞれに人がいる
人それぞれに恋をして 百花繚乱 したたかに
百花繚乱 したたかに
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