花筏-Hanaikada-

夢を追いし 蒼き空と
遠いまちを 流れ流れ
魅せる時は 糸遊(しゆう)のよに
誰の舟に こころ休め
声もなく包み込む 花筏それと似て

母よいつの日か
母よわたしの背にもたれ
幼き日のこと
話しておくれ
この大地に腕を広げ

母よありふれた
母よ「ありがとう」を
どれだけ綺麗なことばよりも
贈りたい

十月(とつき)十日(とおか) 海のなかで
ふたりおなじ 夢を見ては
今日のときを 迎ふ日まで
誰の舟に 涙おとし
やわらかく導いて 花筏それと似て

母よ時はただ
母よあなたに寄り添って
温かく照らす
木漏れ日のように
この大地にふりそそいだ

母よ何度でも
母よ呼んでみるよ
ゆらりゆらりと流れた日々を
思い出す

母よいつの日か
母よわたしの背にもたれ
幼き日のこと
話しておくれ
この大地に腕を広げ

母よありふれた
母よ「ありがとう」を
どれだけ綺麗なことばよりも
贈りたい
×